劇的に伸びたペットの寿命

社会・2020-11-20 17:45
劇的に伸びたペットの寿命
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日本獣医師会が発表している『家庭動物(犬猫)の高齢化対策』という論文を読んで驚いた。論文を書いたのは、東京都家庭動物愛護協会会長であり須田動物病院院長の須田沖夫氏である。

須田氏は、1980年から須田動物病院にある犬猫の死亡カルテを、30 年間集計し分析しているとのこと。その結果……

1980年 イヌの平均死亡年齢 2.6歳 ネコの平均死亡年齢 3歳

2018年 イヌの平均死亡年齢 15.1歳 ネコの平均死亡年齢 12.6歳

この30年で、イヌは約5~6倍に、ネコは約4倍も長生きするようになったのである。1980年とは昭和55年。「竹の子族」という言葉が流行語になった時代。山口百恵氏が引退し、王貞治氏が868号の本塁打を打って引退した年でもある。あの当時、どうやらペットの飼い方は、いまよりかなりいい加減であったらしい。

昭和は、ドッグフードやキャットフードもあまり普及していなかった時代で、エサも人間の食べ残しをあげている場合が多かった。

避妊手術もせず子イヌや子ネコが生まれたら、段ボール箱に入れて捨てるのはまだましで、中には川に流してしまう人もいた。

そんな時代から30年がたち、日本人のペットの飼い方も、ずいぶんと丁寧になってきたようだ。いまや飼い主が食べているものよりも、ペットが食べているものの方が高価だとニガ笑いする人も多い。

どうやら30年前よりペットたちは幸せに見える。しかし、殺処分されるイヌやネコは3万8000頭もいるという。一度飼いはじめたら、責任をもって最期まで面倒をみてほしいものだ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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