松原千明さんの死因はうつ病?うつ病って何?

エンタメ・2022-11-18 18:30
松原千明さんの死因はうつ病?うつ病って何?
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女優の松原千明さんが亡くなった。死因については、筆者がこの文を書いている時点ではまだ明らかにされていない。
かつて松原さんはうつ病を患っているという報道があり
「私なんか死んだらいい」
「死にたい」
という発言もしていたという。

うつ病は生涯に15人に1人、過去12カ月なら約50人に1人が経験する病気で、決して珍しいものではなく、また心が弱いからかかるというものでもない。
いくつかの条件が重なり合うと、誰にでもかかりうる病気なのだ。

「うつは心の風邪」などと言う人もいるが、決してナメてはいけない病気。
自殺者の70~90%が、生前に何らかの精神疾患に罹患しており、60~70%はうつ病であったという報告もある。
重症のうつ病患者は、6人に1人は自殺するという報告もある。
つまりうつ病予防が自殺予防になるというわけだ。

うつ病になるともう一つ困ったことが起こる。
医者や医療ジャーナリストもあまり言いたがらないが、対人関係トラブルだ。

うつ病になると、認知のゆがみが出る。「認知のゆがみ」とは「本当ではないことをそう思い込んでしまうことだ。例えば・・・

・「生きていても仕方がない」
・「私はダメな人間だ」
・「私は悪くない、全部世間が悪い」
・「みんなが私の悪口を言っている」などなど。

「そんなことはないよ」と言っても、認めない。認められない。それどころか、そういう人への攻撃がはじまるなんてこともある。
自分の感情がコントロールできない。それが精神疾患なのだ。

また、うつ病の人のことを思いやり「がんばってね」などというと
「うつ病患者に『がんばれ』は禁物なんですよ。訴えますよ」
などと言ってしまう。
そういうことが重なると、周りの人は離れていってしまう。
そしてうつ病患者はますます落ち込む・・・

うつ病は誰もがかかる病気であるが、治る病気でもある。

ほとんどのうつ病は、治療しなくても6〜12ヶ月続いた後に自然に軽快すると言われ、
適切な治療をうけた場合はその半分、多くの人が3〜6ヶ月で回復する。

なかなか治らない人というのもいて、これは難治性うつ病というが、この人は

・うつ病になってから治療開始が遅かった
・身体疾患の合併
・不安障害の合併
・お酒がやめられない
・うつ病ではなく、双極性障害(躁うつ病)だった
・うつ病になった原因が改善されてない

などなど・・・

うつ病は薬だけで治すものではなく、生活習慣や思考習慣を変えることが一番大事なのだ。
例えば、胃腸が悪い人が、暴飲暴食を改めず、胃腸薬だけで治そうとしても、難しいのと一緒。

また、再発しやすい病気で、治っても完治とは言わない。寛解(かんかい)という。喘息やがん、白血病もそうだ。

冬はうつ病が増える季節。
おかしいなと思ったら専門医にご相談を。

最後に松原千明さんの、ご冥福をお祈り申し上げます。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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