ワイドショーは感染者増も五輪開催も二重においしい

社会・2021-07-03 15:51
ワイドショーは感染者増も五輪開催も二重においしい
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これまで五輪開催大反対を主張していたワイドショーが、五輪歓迎ムードをも同時にかもしだしている。

ワイドショーの関係者から聞いた話によると、まだまだ新型コロナで視聴率が取れるので、まずこれは外せない。次にスポーツコーナー等では、五輪内定者がどんどん決まっていて、こっちはこっちで盛り上げようというものであるという。

民法はスポンサーによって成り立っているが、多くの大手スポンサーが五輪のスポンサーもやっている。番組とスポンサーをつなぐ広告代理店も五輪を盛り上げたい。
番組としては、五輪反対論と、五輪を盛り上げたいスポンサーの板挟みになっているかと思いきや、全然そうではなく、むしろ二重三重においしい状態なのだという。

本来、梅雨どきはニュースも梅雨枯れになりネタ探しに四苦八苦するのだが、昨年から新型コロナ関連の情報を流せば視聴者は喰いついてくる。政治も経済も生活情報も、新型コロナをからめないと視聴者は観てくれない。逆にからめていくと観るのだという。

五輪に関しては、「がんばっている選手のためにも五輪は成功してほしい」路線になり、もし五輪関係者で新型コロナに感染する人が出たら、それはそれで「本当に大丈夫でしょうか?」と、話題になる。

テレビ局のスポンサーにしても、「五輪のスポンサーはけしからん!」などという視聴者はおらず、五輪を盛り上げてくれればそれでよろしいという感じであるという。

よってテレビ局としては、新型コロナを心配する風情を出しつつ、同時に五輪歓迎ムードにしてしまえばなんの問題もない。ダブルスタンダードだって? それがマスコミの基本姿勢。

よって五輪が盛り上がりつつ、例えば五輪大会中に参加選手に新型コロナ感染者が出たら、それはネタになるので実においしい。

新型コロナの感染者増も五輪開催もワイドショーにとっては大歓迎なのだ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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