数学ほど役に立っている学問はない

エンタメ・2022-08-31 18:25
数学ほど役に立っている学問はない
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何日か前、「理系」と言われる大学の学科を卒業した友人4~5人と食事をしていたときのこと。なぜか数学の話になり、筆者が「ぼくは数学が苦手どころか、掛け算の7段がダメなんだよね」というと「オレも」「オレも」と2人ばかりが手を挙げ、そしてこういったのだ。

「オレの友人で数学科卒の奴も7の段でつまずくそうだよ。居酒屋の割り勘の計算も苦手で、必ず電卓で計算するって言ってた」と。

さらに「そいつがいうにはね、電卓で計算できることは電卓にまかせればいいんだって」と、言ったという。なるほど。さらにその数学科卒の人は「数学は計算する力を養うんじゃなくて、考える力を養う学問」であるそうだ。なるほどなるほど筆者が苦手なはずである。

やがて筆者たちは「高等数学は役に立つか」という話題になった。ほとんどの人は、買い物などで算数は使っても微分も積分も、√もπも一生のうち一度も使わない。

しかしそれでも友人たちとの結論は「数学ほど世の中に役に立っている学問はない」ということになった。

そりゃそうだスマホやパソコンはもちろん、電気・ガス・水道を我々が使えるもの、自動車や電車が走るのも、科学文明で生み出された便利なもののほとんどは数学があるから実用化できるのだ。

確かにそう考えれば、もし数学がなければ、狩猟採集時代にまで戻ってしまうかもしれない。

その一つの証拠として人類最初の文明と言われている古代メソポタミア文明では、すでに高度な数学があり、発掘された粘土板からはピタゴラスが発見したとされる「三平方の定理」が見つかっている。

文明には数学が必要なのだ。農耕に必要な暦を作るための天文学、土地を測量するための幾何学、巨大建造物を作るための建築工学などなどこれらは数学が深く関係している学問だ。ピラミッドも数学を活用して作られている。

古代中国でも独自の数学が発展し、おそらくその数学は古代日本にも伝わってきたと思われる。古事記に記されている古代の出雲大社の高さは残された遺跡から計算すると48メートルもあったという、これは10~15階建てのビルに相当するそうで、数学を使わないと建てられない。

さてさて。それでも「数学なんて役に立たない」というアナタに。アナタはそれでもいいでしょう。

しかしそれを子ども達に言わないほうがいいですよ。なぜなら、ある研究で高校時代数学が得意だった生徒とそうじゃない生徒は、将来の年収に大きな差があることがわかっているそうです。もちろん数学が得意だった子どもの年収が高いのです。

あと数学は計算力を養うのではなく【考える力】を養うものですから、考える力は高い方が良さそうですし。数学どころか算数も苦手な筆者には耳の痛い話です。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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