学歴社会は終わらない
エンタメ・2021-06-26 18:37『ドラゴン桜』というドラマがある。落ちこぼれが元暴走族のリーダーだった弁護士の指導で東大を目指すという物語だ。
はたしてそれが可能かどうかは別にして、主人公の弁護士はいう。「東大に入れば人生が変わる」
東大に入れば人生が変わるかどうかは人それぞれかもしれないが、日本はいまでも学歴社会だ。
筆者は20年ほど前に、不登校問題とかかわり、当事者や保護者、支援者と会い、本を書いたり不登校の映画を監督してきた。そのとき多くの不登校関係者が、ことあるごとにいうのが、「学歴社会はもうすぐ終わる」であった。それから20年、学歴社会はいまだに終わっていない。
日本に学歴社会が生まれたのは、明治時代になってからだ。それまで政治経済を握っていた武士階級がなくなり、高等教育も旧士族以外にも開放された。そこを卒業し、後は能力さえあれば元身分がなんであれ政界や官界に入っていくことも可能になった。
ちなみに欧米では大学受験は日本ほど厳しくない。それはもともと高校や大学などは貴族や資本家階級のためにあるもので、彼らは受験などするまでもなくそれなりの学力や教養が身についているものと考えられているからだ。
だから入学するのはたやすくても、卒業するのは難しい。あるデータによると、アメリカの大学生は4年間で400冊の本を読むのに対して、日本の大学生はわずか40冊しか読んでいないという。
日本はいまも学歴社会だが、欧米はその上を行く超学歴社会なのだ。日本は東大中退でもエリート扱いしてくれるが、欧米では複数の修士号を持つとか博士号を持たないと大企業では面接もしてくれないという。
結論からいうと、グローバル化が進む現代、日本も学歴社会ではなく【超】学歴社会にしていかないと、世界から取り残されることになる。これからの学歴社会は履歴書に●●大卒という時代は終わりつつある。これからはもっとハードな学歴社会が来るに違いない。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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