日本人の身長って世界的に見てどうなの?

エンタメ・2021-04-20 09:12

我々日本人は、自分たちが世界的に見て小柄な民族だと思っている。本当にそうだろうか?ある調査によると、日本の男性の平均身長170.7センチで、71ヵ国中45位であった。

上位1位から15位まではヨーロッパの国々の人が占め、もっとも高いのはオランダで、平均身長は183.2センチ、もっとも低いのはインドネシアで158センチであった。

世界の男性平均身長は172.9センチというから、日本人は世界的に見て真ん中か、やや低い程度であろう。しかし今から150年前はそうではなかった。

150年前はおそらく世界でもっとも背が低い民族のひとつであったらしい。150年前、幕末期から明治維新あたりが、日本人が歴史上もっとも背が低い時代で、男性なら155センチ、女性なら143センチしかなかった。当時の中国、朝鮮、タイやベトナムなどの人よりも平均身長が低かったのだ。

日本人が小柄であった原因は、肉をほとんど食べず、タンパク質不足であったからだ。とはいえ、日本人はタンパク質をまったく摂らなかったわけではない。江戸時代の人たちは、1日5合の米を食べていた。人に必要なタンパク質は1日50g、米1合のタンパク質は8g。つまり40gのタンパク質を米から摂っていた。後は味噌や小魚で補っていたのである。

世界でもっとも背が低い国に、開国を要求してやってきたアメリカ人は当時世界一背が高い人たちであった。特に黒船でやってきたペリー提督は190センチ以上あったというから、当時の日本人は自分たちの小ささに驚き、明治新政府になると肉食を奨励した。

明治時代になり少しずつ肉食が広まると、身長も伸びて現在に至っている。ただ最近は伸びが止まるどころか、微妙に低くなっているという。その原因は思春期の睡眠不足や運動不足、栄養バランスの悪さが原因であるらしい。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

関連記事
エンタメ新着記事