テレビのヤラセ? そんなの当たり前

エンタメ・2021-10-23 20:45
テレビのヤラセ? そんなの当たり前
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テレビ朝日が放送する『大下容子ワイド!スクランブル』で、「視聴者からの質問にお答えするコーナー」において「視聴者」ではなく「番組サイド」が用意した質問を放送していたことが発覚した。これも一種のヤラセである。

『大下容子ワイド!スクランブル』は、午前中からはじまるワイドショーである。ワイドショーは、世の中に起こった事件や情報をおもしろおかしく、そしてわかりやすく放送する「バラエティ(娯楽)番組」なのだ。

娯楽番組である限り「ヤラセは当たり前」と思っておいた方がいい。以前筆者の知人が、ある娯楽番組に出たことがある。駅前に局アナがいて、仕事帰りで酔っぱらっている会社員に質問し、会社員がとんでもない答えを言ったり、実家に電話をするというコーナーだったのだが、エキストラ事務所と契約していた知人は、連絡を受けるとスーツにネクタイをして、飲み屋に連れていかれる。そこでベロベロになるまで、酔っぱらわされて駅前を歩くと、局アナが声をかけてくるという演出だ。

さすがにワイドショーには進行表以外の台本はないが、街の人にインタビューをするときには、ちゃんと番組や局の意向が反映されている。番組が欲しい意見を中心に取り上げるというヤツだ。

自殺した女子プロレスラーの木村花さんが出ていた、フジテレビ系の『テラスハウス』は、あくまで演出であったが、それがわからなかった視聴者が誹謗中傷を繰り返してしまい悲劇がおきた。

ドキュメンタリー番組でも演出家が、取材相手に「こういう答えが欲しい」と注文することはめずらしくない。タレントが町を歩き、お宅やお店にふらりと訪れる番組は、前もって相手を確認し、お知らせしたり、リハーサルをしておかないと、相手がやくざだったら大問題になりかねない。そんなこともあるから、テレビにヤラセはつきものと思っておいた方がいい。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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