ミニカルト? 妻9人子供3人の一夫多妻男のその手口とは

社会・2023-02-09 18:28
ミニカルト? 妻9人子供3人の一夫多妻男のその手口とは
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さて、見るからに怪しげな男が逮捕された。
名を渋谷博仁(74歳)という。事件は、去年の12月12日、渋谷博仁容疑者の元妻であり同居人の渋谷千秋容疑者(43歳)が、知人の10代の少女に「いい占い師がいる」などと言って自宅に誘い出し、博仁容疑者が性的暴行を加えようとしたというもの。

この博仁容疑者は現在9人の女性と3人の子供と同居しており、事実上の「一夫多妻生活」を送っていた。

博仁容疑者は17年前にも同じような事件を起こしている。このときすでに11人の女性と暮らしており、さらに増やそうと思ったらしい。
当時20歳の女性を脅して同居させようとしたが失敗。脅迫罪で逮捕された。このとき博仁容疑者は57歳であった。

その手口だが、博仁容疑者は占い師を自称し、アシスタント募集の広告を出す。募集に応募してきた女性をマインドコントロールし、逆に自分の客にしたりして同居する女性の数を増やしていったという。

「え? そんなに簡単にマインドコントロールなんてできるの?」と誰しも思うに違いない」
博仁容疑者はマスコミに「夢で見たモテる呪文を言うと10人中6~7人はついてくる」と豪語していたが、実態は不安や恐怖を煽ってマインドコントロールするという古典的な方法であった。

その方法は、部屋に閉じ込め簡単な手品を使って自分を霊能力者と思わせる。「悪霊が」「呪いが」「祟りが」「私のいうことを聞かないと事故に遭って死ぬ」などと恐怖を煽り「お前を救えるのは俺だけだ」と信じ込ませ、思考停止に追い込む手法だ。
そのとき神、水子、霊、宇宙人など、あるかないかわからないもので脅し、次に何らかの「救い」を与えながら追い込んでいく。

17年たったいまも、同じような方法でマインドコントロールをしようとしていたらしい。

今回も、10代の少女を自宅に誘い出し“UFO”の映像を見せ、
「あなたは宇宙人に連れ去られ、皮を剥がされ食べられる」
「死を回避するには、宇宙人の異物を体内から取り除くために、私と性交するしかない」
「警察に言ったらキミを助けられない」
などと脅かしていたらしい。

統一教会やエホバの証人といったカルト宗教もそうだが、普通ならバカバカしい荒唐無稽なことも、いくつかの条件が合えば人間は信じてしまうものなのだ。

博仁容疑者は17年前、脅迫罪で懲役1年6カ月、執行猶予4年の有罪判決を受けている。今回は、準強制性交未遂の疑いである。前科があるため実刑になるかもしれない。

17年前、博仁容疑者と同居する女性たちは若い人が多かったが、17年の月日かいまは40代から70代となっている。
今回、仮に実刑になったとしても、同居の女性たちはずっとこの人物を待ち続けているのだろう。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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