科学とは何か? ニセ科学に気をつけろ!

エンタメ・2022-12-07 18:19
科学とは何か? ニセ科学に気をつけろ!
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この世の中にはニセ科学が溢れている。が・・・その説明をする前に「科学とは何か」というところからはじめたい。

科学とは、仮説を立てて、その仮説が本当に正しいのかどうかを様々なデータや実験などを使って検証することをいう。

さらに「反証可能性」がなければならない。
「反証可能性」とは何か?

それまで科学的に正しいとされてきたものや、新説などをチェックし、否定される可能性をいう。
それができないものは、科学とはいえない。

以前「STAP細胞なるものがあります」といった科学者がいて「それはすごい」と世界中の科学者が、その人のやり方で検証すると誰も証明できなかった。よってその科学者のやり方での「STAP細胞」は否定された。
ただし「STAP細胞」がないことが証明されたわけではない。その人のやり方ではダメだったというもの。
あるのなら、誰かが証明をすればいい。これは死後の世界もUFOも一緒。

ところがニセ科学信者は「STAP細胞はあるのだけど、それを認めたら巨額の医療利権がパーになるから潰された」となる。

なぜかニセ科学は、このような陰謀論やオカルトと近いところがあることを覚えておきましょう。

さて、科学とは実験や検証、試行錯誤の積み重ねといっていい。よって「これまでこれが科学的に正しい」とされていたものが覆されることで進歩してきた。
わかりやすいところでは「天動説」が「地動説」に覆されたということだ。

また科学を誤用したり悪用したりするニセ科学もある。

効果が証明されていないサプリなどを「これを飲むだけで絶対痩せます」「がんが治ります」とか、言った類のものだ。
そのサプリの広告には「いかにも効果がありそう」に見える、科学的(?)なグラフやデータ、専門用語、もっともらしい研究者の推薦などがあり、悩んでいる人を「騙し」にかけようとする。

こまったことに大企業もニセ科学を利用することがある。
「マイナスイオンが出る家電」などがそうだ。以前、大企業の多くが「マイナスイオンの健康効果」をうたった家電を出したが、科学的根拠も効果もなく、苦情などが来て多くが撤退した。

このようにニセ科学はニセ医学となって、「がんが治る」「アトピーが治る」「痩せる」など病気や美容で悩んでいる人を食い物にすることが多い。

かつて「血液型性格診断」というのが流行ったことがある。
A型は几帳面、B型はいい加減、O型はおおらか、AB型はA型とB型の両方の性格といった血液型で性格や相性がわかるというものだが、この診断なるもので、B型の人が就職で差別されるということもあった。
これもデータなどを捏造して科学のように見せかけたニセ科学である。

ニセ科学とは、データや検証ではなく、【気分】を科学的に見せるものでもあるようだ。
だまされないためには、リテラシーを身に着けるしかないようだ。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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