この人たちはなぜこうも謝罪がヘタなのか
社会・2021-12-06 18:15ときどき謝罪会見なるものを見ることがある。しかしなぜか謝罪しているはずなのに、より周囲の怒りをかってしまう会見も少なくない。
最近では、オリンピック後に金メダルを噛んだ河村たかし名古屋市長、ホームレスよりネコの命の方が大事と発言したメンタリストのDaiGo氏、当て逃げ無免許都議木下富美子氏や、タピオカ店脅迫タレントの木下優樹菜氏の謝罪会見や動画がそれに当たる。
これらの人たちに共通しているのは、「自分は悪くない、むしろ被害者」「みんなが騒ぐから仕方なく謝罪した」というホンネが、謝罪会見や動画に透けて見えていること。謝るタイミングも共通して遅い。
これらの人たちは、決して「自分が悪かった」とは思っておらず、「謝罪というより言い訳」に聞こえてしまう。さらに目に涙を浮かべていても「何かお芝居っぽい」と感じさせてしまうのだ。
謝罪に必要なのは「私が間違っていた」と行為を認め、さらに「私が悪かった」と自分の責任を認めること。そして「二度としないよう努める」という後悔の心をさらけ出し、迷惑をかけた人に正面から向き合う態度を見せないと、この人たちのように、謝罪が逆効果になりかねない。
心理学者のガイ・ウィンチ氏によると、「心理学的に、自分の非を認めるのは、非常に居心地の悪いもので、精神的苦痛をもたらす。そのためちゃんと謝るためには、強い自己肯定感が必要」であるそうだ。
言い方を変えれば、自己肯定感が低く、弱い自分を強く見せたいために、自分の非を認めることができない人たちであるともいえよう。そのため「心からのお詫び」ができない。だから木下都議のように、謝罪していても、どこか図々しく見えてしまう。
人間関係は「態度と口に出す言葉」が大切。しかし筆者なども、自分の非を認めることができず、言い訳じみたりすることが多々ある。この「謝罪がヘタな人たち」を反面教師にして、不始末をしでかしてしまったときは、潔くありたいものだ。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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