生活保護は地方経済に役立っている

社会・2021-09-29 15:55

「生活保護受給者なんて許せない! 俺たちの税金で働かずに生活しやがって!」と、憤る人がたまにいる。

しかし生活保護が地域経済に役立っていると言えばどうだろう? まず生活保護受給者とはどんな人たちなのか? 高齢や障害のため働けない人がほとんどだ。働いていても母子家庭のため、お金が足りず受給している人もいる。

なかには「不正受給が多い」「外国人の受給者がほとんど」という人がいるが、不正受給は0.4%程度、それも子どものバイト代を申告するのを忘れたなど、軽微なものが多い。外国人の受給率は全体の世帯数のうち2.8%しかない。

中には「生活保護が最低賃金より高いのが許せない!」という人もいる。もしフルタイムで働いている人の賃金が、憲法が保障する「最低限度の生活」を守るための生活保護より安いのだとすれば、その人も生活保護をもらうべきだし、その怒りは生活保護ではなく、生活保護より【安い賃金】に向けられるべきだ。

さて、なぜ生活保護が、地域を活性化するのか?

それは受給されたお金のほとんど全額を、生活費として使うからだ。つまり地域にお金を落とす。地域の人はそれで儲け、税金を払う。その税金の一部が生活保護費になる。生活保護受給者も経済を回しているのだ。

社会保障を研究する鈴木亘氏によると

・経済波及効果としては、通常の世帯に対する減税よりも大きな効果を生む
・同規模の公共事業と経済波及効果は同じくらい。しかし公共事業は建設業にかたよるが、生活保護はいろいろな商業に分配があり、雇用の効果も大きい

また生活保護費は自治体の財政も、ほとんど影響しない。大阪市の場合だと、年3000億円が保護費に使われているが、そのうち大阪市の負担は150億円で実質5%。ある意味150億円の負担で、国から残り2850億円を引っ張ってきていると言える。

生活保護は困っている人を助けるだけではなく、地方経済に大いに役立っている制度なのである。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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