創世記の失楽園は人類が衣服と農耕を発明したことを表している?
エンタメ・2023-01-07 18:03旧約聖書の「創世記」に、失楽園の話が出てくる。神に作られたアダムとイブが、禁断の木の実を食べてしまい、それまで住んでいた楽園を追い出され、額に汗をして働かなくてはいけないようになったというストーリーである。
さて、おもしろいのはエデンの園(楽園)に暮らしていたアダムとイブが食べた「禁断の実」だが、木の実の別名は「知識の木」とか「善悪を知る木」と言われているのだ。
さて、アダムとイブがこの禁断の木の実を食べるとどうなったか?
なんと驚くべきことに2人の目が開け、自分たちが裸であることがわかったので、いちじくの葉をつづり合わせ腰に巻いたのだ。
つまりこれまでアダムとイブは全裸で暮らしていたが、恥ずかしくなかったということだ。
これは何を表しているのだろう?
もしかしたらだが、人類がまだ衣服を発明しておらず、全裸で暮らしている頃の記憶かもしれない。
人類が衣服を着るようになったのは、約7万年前であることが、衣服に付いたシラミの遺伝子研究からわかっている。
7万前に人類に何があったかというと、東南アジアの火山が大爆発を起こし、大氷河期がやってきて人類は数千人まで減り、絶滅寸前になった。
そしてこの時代に人類の脳に突然変異が起こった。
人類は急に頭が良くなり、絵を描いたり、言葉を喋るようになった。
まさに覚醒したのだ。
頭が良くなった人類は、服を着るようになり、また羞恥心も生まれたのではないだろうか?
アフリカなどの裸族でも、フンドシや腰巻をしているのがほとんどだ。
なぜ人はフンドシをするのか? 性器を隠すためである。
性器は本人が隠したいのに大きくなったりする。女性の場合、知られたくない生理もバレてまう。フンドシや腰巻はそれを隠す効果がある。
もっとも最初はフンドシではなく毛皮を身にまとっていたらしい。
やがて人類は1万年前くらいから、農耕をというものを発明する。
それまでの狩猟採集時代は、定住せず何十人かの群れで獣を狩り、木の実などを採集し、食べるものがなくなれば別の場所に移動して生活していた。
狩猟採集時代の1日の労働時間は、一週間で15時間程度。獲物が捕れたらなくなるまで働かないというまさに「楽園」のようなもの。
しかし農耕をはじめると、労働は夜明けから日暮れまで額に汗して働かなくて行けなくなった。
創世記3章23節によるとアダムも楽園を追い出されたあと、額に汗して農耕をはじめるのだ。
いかがだろう。創世記は神話だが、あらゆる神話には過去の記憶が織り込まれているという。
特に創世記の神話の元は、人類最古の文明であるシュメール文明の神話からきている。創世記の失楽園伝説は、人類の文明以前の記憶が隠されているのかもしれない。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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