恋する生物それが人間だ

エンタメ・2022-12-27 18:37
恋する生物それが人間だ
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ほとんどの生物が、自分の遺伝子を残すために活動している。植物も名も知らぬような小さな虫も、人間様もだ。

国連の推計によれば、世界の人口は2022年11月15日、80億人に到達した。70億人に達した2010年から12年間で10億人増加したことになる。これは、世界中の人が日夜イタシテいたからだ。

多くの動物には「繁殖期」というものがあり、動物たちが恋をするのはこの「繁殖期」だけだ。
しかるに人間様には「繁殖期」などというものはない。
つまり一年中「発情期」であり「繁殖期」で、いつでも赤ちゃんを作ることができるように進化した。

だとしたら「恋をしている」ということが「発情している」と言えるのではないだろうか?
マジメな人は「そんなことはない」というかもしれない。

「少女まんが」というジャンルがある。内容は圧倒的に「恋愛もの」である。
読者対象は女子小学生から女子高校生くらいだ。

その少女漫画の読者たちは少女まんがを読んで「恋」に「恋」をする。
「恋」にあこがれ、「恋」をシュミレーションしたりする。だが「恋」は「性欲」でもある。

同世代の男の子の頭の中は「恋」というより、もっと直接的に「アレ」のことばかりを考えている。

人間という動物の場合、それがず~っと一生続くものらしい。

そして恋人がいない人は「いい人はいないかな~」と求め続けることになる。
もちろん中には「恋人なんていらない2次元で十分!」という人もいるが、それは2次元に恋人を求めているのだ。
「発情」の対象をアイドルなどに求め、パートナーに嫉妬される既婚者のなんと多いことか。
「恋」をして「結婚」しても失敗したな~と、やり直す人も多い。

また恋人を得られ結婚に成功しても、周囲にいい男・いい女がいたらチラチラと見てしまい、人知れず「発情」する。なかには「あわよくば」と浮気だの不倫だのを実行しようとする人もいる。

「恋する季節」とは「発情期」であり「繁殖期」であるが「繁殖期」が終わった後も、人間は「恋」をする。
「繁殖期」が終わったはずの老人ホームでは、しばしば三角関係や相手の取り合いがおこったりするのだ。老いても「恋する心」は残るらしい。
そのため、遺産をねらった「後妻業」のような事件も起こる。

人間は「性欲」という本能や感情に「恋」という美しい飾り、あるいは幻想を持つことで、繁殖してきた。
流行りの歌もほとんどが「恋の歌」だ。

いま、先進国では少子高齢化が問題であり、途上国では人口増加が問題になっている。
人類がどのような対策をとるのかわからないが、人間の持つ「恋する心」はどこの国でも、いつの時代でもとめられない。

恋する生物それが人間だからだ。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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