人類は地球上のカビみたいなものかもしれない
エンタメ・2022-12-26 18:01この地球が誕生して46億年、地球に生命が誕生して35億年、人類の祖先が生まれたのが500万年前、そして我々、ホモ・サピエンスが生まれたのが、ついこの前、20万年前とされている。
アフリカで誕生したホモ・サピエンスは、7万4000年前に起きたインドネシアのトバ火山の大噴火によって、大氷河期となり、ホモ・サピエンスもアフリカの一部で、わずか数千人という数まで減った。まさに絶滅寸前であったという。
絶滅から生き残ったホモ・サピエンスはアフリカを出て、たちまち全世界に広がっていった。
すでに世界には、ネアンデルタール人など数種類の人類が拡散していたが、どうもホモ・サピエンスが駆逐してしまったらしい。
マンモスや4.6トンのオオナマケモノなど数多くの大型動物を食いつくして絶滅においやったのも我々ホモ・サピエンスだ。
我々が、大型動物を絶滅に追いやったのは科学文明が発達してからではない。
槍や石斧といった原始的な武器と落とし穴といった原始的な罠で、大型動物を駆逐していったのだ。
いまでも年間4万種の生物が絶滅しているというが、その多くに人類が関係しているのは明らかだ。
1986年、当時はソ連であったウクライナのチョルノービリ(チェルノブイリ)原発で事故があり、周辺の広い地域が、放射能汚染のため人間が足を踏み入れなくなった。
すると、絶滅が危惧されていたオオカミやモウコノウマ、オオヤマネコといった動物たちが個体数を増やし、いまや動物の楽園になっているという。
コロナ禍となり、ロックダウンとり経済活動が停止すると、空気がきれいになって、アメリカ北東部上空の大気に含まれる窒素酸化物は30%も減少。
インド北部の大気汚染の指標もここ数十年で最も改善され、インドから30年ぶりにヒマラヤ山脈が見えるようになったという。
18世紀に蒸気機関を発明し、1925年にラジオ放送、1953年にテレビ放送がはじまるなど、電気や電波の利用しだしたのはつい最近のことだ。
そのわずか期間で、海や河川の汚染は進み、砂漠化が急速に進み、空気を汚し、地球温暖化を止めることができないままだ。
すべて人間の欲望のせいである。
20世紀はじめごろ16億5000万人だった人間はわずか100年と少しで、いまや80億人と突破している。異常なくらいな繁殖ぶりといっていい。
まるで人類は地球の地表にはびこるカビのようにも思えてしまう。
もし神様がいて、この現状をみたら、人間だけに効くカビキラーを振りまくのではないだろうか?
そうされないためにも、人類全体で地球のことを考えたほうがいい。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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