アベノマスク 見事なまでの税金の無駄遣い
社会・2021-12-23 09:592020年3~4月、マスク需要が増大し、マスクの入手が極めて困難になった。人々は何とかしようと手作りマスクを作ろうとしたが、ゴム紐も売り切れてしまい作れないほどであった。この国民の困窮を見て、戦後最強とも言われる安倍政権は一撃必殺の救済の手を打った。アベノマスクである。
そして全国で順次配布が進められ、布マスクの配布が6月20日までに全て完了した。いや~、国民が喜んだの喜ばなかったのって、ほとんどの国民は喜ばなかった。
むしろ「ちっちゃいし、他にやることあるだろ!」と、怒る人が出る始末。なぜかというと、配布されたマスクに虫や髪の毛などが入っていたりして、検査に時間がかかり、国民にマスクが届いたころには、マスク不足はとっくに終わっていたからである。ちなみにこの事業費は466憶円であった。
そもそも配布が決定したときでさえ、読売新聞の調査によると、マスクの配布を「評価しない」が7割超。配布が終わってからの調査では8割超が「役に立たなかった」というのが国民の評価であった。ある民間会社の調査では、実際にアベノマスクを実際に使った人は、わずか3.5%しかいなかった。
それでも、配布が終わった後、あまったマスクを学校や企業や役所、各駅などに置き「ご自由にお使いください」と、バラまくなり、都道府県に災害時の備蓄用に保管するよう寄贈していれば、まだマシだったかもしれないが、約3割に及ぶあまった8200万枚をなぜか大切に保管し、その保管費用が6億円もかかってしまった。
また、8200万枚を検品したところ、なんと15%が不良品であったという。検品にかかった費用は20億9200万円であった。
そして12月21日、岸田総理は、この在庫マスクを「希望者に配布し、有効活用を図ったうえ年度内に廃棄」するという。
いやはやなんともだが、アベノマスクは、見事に税金の無駄遣いに終わりつつある。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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