マナーはなぜ必要か? マナーにうるさい人ってそれだけでマナー違反

エンタメ・2022-09-08 18:14
マナーはなぜ必要か? マナーにうるさい人ってそれだけでマナー違反
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あるテレビ番組で、マナー講師があまりに厳しくて炎上したという記事を読んだことがあります。あとでそういう風な演出だったとわかったそうなのですが。

さて、マナーとは何でしょう? 辞書によると「礼儀」とあり、「社会のきまりにかなう、人の行動・作法。そのような敬意の表し方」であるそうです。ではなぜ、マナーが必要なのかというと、人間関係や秩序を円滑に保つためにあります。

と、言うことはマナーとは「こころ配り」や「思いやり」をしめす行為とも言えそうです。またマナーは「護身術」でもあります。武道を習うときいい先生だと、生徒にちゃんと礼儀作法を教えるはずです。元々武道は武士のたしなみでした。武士階級の人たちは男であれば、2本の刀を携帯しています。礼儀(マナー)を知らない人は斬り殺されるおそれがあるわけです。

よって心得として武道には礼儀作法が必須となるのです。もっとも今の時代礼儀を知らない武道の先生が、ときどきいるようですが・・・

マナーはルールではありませんから「~をしなければならない」と、必ずしも決まっているものではありません。おもしろいもので、マナー講師によってまったく逆のことを指導している場合もあるようです。

たとえば焼き鳥の食べ方の場合、「料理人の方がせっかく串に刺して出してくれているのだから外して食べるのはマナー違反」という人や「串に刺したままかぶりつくのは下品ですので外して食べましょう」「食べやすい上の方は串に刺したままいただき、下の方は外しても大丈夫」などなど、これはルールではないのですから、どれが正しいというものではないのですけどね。

私はタレント志望の人に、殺陣やアクションを教えることがあり、帰りに一緒に食事に行くこともあります。私自身はさほどマナーにくわしいわけではないのですが、そのときに知っている食事マナーを教えることがあります。するとかなりの人が「手皿」といって、汁のたれそうな食べ物を口に運ぶとき、手の平を添えている人がいて、しかもそれが「上品で正しい」と思っているようです。

「手皿」は和食において下品とされる行為、タレントの場合、誰が見ているかわからない仕事なので「そういうときは手じゃなくて小皿を添えればいいですよ」と、教えています。食事の仕方ひとつで上品下品という印象をつけられてしまいますし。

それと「もし手皿とかお箸の持ち方がおかしい人がいても、人前で指摘しないように」と教えています。

その人に恥をかかせないためと、お箸の持ち方とか食事のマナーって、基本親が子に教えるもの。つまり「あなたの親はしつけがなってないね」と、相手の親をバカにするようなことになってしまいます。

そして食事中はもちろんその他のマナーも含めて、あまりうるさくいう人もマナー違反です。二人切りのとき、上司や先輩が部下や後輩に指導するときくらいにしておきましょう。マナーは人間関係を良くするためにあるものですから。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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