洗髪の歴史 清潔化する日本
エンタメ・2022-01-12 12:2070年代のドラマを観ていてふと思ったことに、「この時代は何もかもが小汚いし、女優さんなんかでも、たまに脂っぽい頭髪の人がいるなあ」と・・・
1932年(昭和7)の花王のシャンプー広告が残っています。そこには髪を洗う女性の絵があり、次のようなコピーが出ています。
「せめて月に二回は! 髪を洗ってください。汚れた髪は衛生に悪いばかりではなく、他迷惑でございます」
なんとこの時代は、月に2回以下しか髪の毛を洗わない女性が、たくさんいたのだと推察することができます。それが1965年(昭和40)の広告によると
「夏の髪洗いは5日に1度」
となっています。この時代、また風呂がない家も多く、週に2~3回銭湯か、あるいは近所の家風呂があるところに行って入らせてもらっていたようです。それでも必ずしも髪を洗っていたわけではなさそう。また、農村などで水道やガスが普及していない場合、水は井戸から汲み、薪を集めて燃料にしていたようです。大変な重労働ですね。
1975年(昭和51)に発売された「花王フェザーエッセンシャルシャンプー」のテレビCMでは、当時16歳のアイドル、林寛子さんが起用され、林寛子さんはテレビの中から若い女性に
「毎日シャンプーしてもいいくらい」
と、語りかけています。
1986 年には「朝のシャンプー」(略して「朝シャン」)が流行し、1987 年、「朝シャン」が新語・流行語大賞にも選ばれます。こうなると朝と夜2回シャンプーする人が出てきて、洗いすぎで薄毛になってしまう人も出てきました。
日本人は世界一清潔好きだそうですが、薄毛になるまではやりすぎのような気がします。いまや石鹸手洗いにアルコール除菌も当たり前、このままどこまで清潔の道を歩むのやら・・・
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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