デマ・流言・フェイクニュースの危険性

社会・2021-02-18 18:35
デマ・流言・フェイクニュースの危険性
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2021年2月13日に,福島県沖で地震が発生し,東北地方では震度6強を記録し,大規模な停電を引き起こし、その被害はまだ収まっていない。

大きな災害があると必ず出てくるのが、デマや流言(噂)といったフェイクニュースだ。今回も「外国人が井戸に毒を入れている」というデマが広まった。

「外国人が井戸に毒を入れている」という話は、関東大震災のときに最初に流れた流言で、そのとき数百~数千人もの人が虐殺されたと伝えられている。そんな悲劇が100年前の日本で実際に起こったのだ。

今回の場合も「朝鮮人が」「黒人が」中には「バイデンが福島の井戸に毒を投げ込んでいるのを友達が見ました!」というものまであった。

「バイデンが……」も、流した本人はジョークのつもりかもしれないが、わずか100年前に同じような流言飛語のため、数百~数千の人が虐殺されているのだ。

米国では一見バカバカしい陰謀論やデマ、フェイクニュースを妄信した人々が米議会を襲撃し5人が死亡したばかりだ。彼らが信じたのは、大統領選でバイデンが勝ったのは、選挙で不正があったからというものであった。

選挙で不正といえば、日本でも1990年、オウム真理教徒が、教祖はじめ25人が衆院選に出馬し全員落選。これを教祖は「選挙に不正がある。国家の陰謀だ」だとし、それを信じた信者たちが、地下鉄サリンなど数千人の被害を出す、凶悪犯罪を実行したことがある。

一見「そんなバカなことを信じるなんて」というようなことでも、本気で信じ、犯罪行動を起こす人が、これからもきっと現れてくるだろう。だから冗談のようなデマでも危険なのだ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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