【五輪開催】尾身会長VS政府のたたかいになってきた?

社会・2021-06-05 18:12
【五輪開催】尾身会長VS政府のたたかいになってきた?
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分科会の尾身会長は、菅首相の記者会見にいつも並んで立ち新型コロナについて首相がちょっとわからないことがあると、尾身会長が答えていた。そのためか「尾身会長が総理に見える」と陰口をいう人も多い。

しかし最近になって、特に東京五輪に尾身会長の意見と政府の思惑が、違ってきているようなのだ。

政府は何が何でも五輪をやる姿勢だが、尾身会長が、まるで皮肉かというような意見を言うようになってきた。

「(東京五輪を)本当にやるんであれば、私は緊急事態宣言の中での、オリンピックなんていうことを絶対に避けるということ」

「人々が本当は外に出て飲んで、みんなと肩を組んで応援したい。一生懸命、自粛しているところにお祭りという雰囲気が出た瞬間をテレビで見て人々がどう思うか」

などという尾身会長に対して、政府は激怒しているというが、普通に考えて、【非常事態】のときにオリンピックとか、国民が必死に自粛しているのに世界から人を集めてお祭り騒ぎというのは、あまりにも非常識というか、ありえないことだろう。

もしこのありえないことをやるとしたら、いまは【非常事態】ではないということだ。

尾身会長は、あくまで感染症の専門家で、WHO西太平洋地域事務局事務局長として、西大西洋地域で小児麻痺(ポリオ)を根絶させたこともある実力者だ。

このポリオ根絶のときには、中国の小児麻痺のほとんどが第2子以降のため(当時の中国では一人っ子政策のため第2子以降の子どもは予防接種を受けられない)、中国保険大臣と面会して、第2子以降の子どもにも予防接種ができるようにしたり、内戦中のフィリピンやカンボジアの大統領と交渉したりして休戦させ、根絶までこぎつけたのだ。

ヘタな政治家より凄みがある尾身会長に対して、菅首相は「尾身会長をだまらせろ」と側近に言っているらしいが、尾身会長はそこらの御用学者のようにいかないだろう。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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