円安150円台? 貧しくなった日本
社会・2022-05-09 19:28円安が止まらない。中には150円くらいまで行くのではないかという専門家もいる。はたして円安で日本経済はどうなるのか?
日本銀行によると、2010~19年の経済情勢をもとに推計したところ、円安が10%進めば実質国内総生産(GDP)を年間で0.8%ほど押し上げるという。つまり全体的にみれば、景気にプラスの影響があるというのだ。
円安のメリットとしては、コロナ禍によって激減した海外からの旅行者が、水際対策の緩和によって戻ってくるということがある。いわゆるインバウンド需要の復活だ。
いまや日本は他の主要国からみると、かなりお安く旅行ができる国になっている。各国のビックマックの値段を比較する『ビックマック指数』というのがあるが、本年2月の時点で日本は390円、57か国中33位で中国や韓国より安い。日本より下の国は34位グアテマラ、35位ペルー、36位パキスタンと言った国々だ。
米国から日本旅行に必要なお金は、日本から米国旅行に行くお金の3分の1程度ですむ。コロナ禍前の2019年、訪日外国人が日本旅行で使ったお金は約4兆8000億円。これがもし、1ドル150円になり訪日客が元通りになったら、約8兆円に跳ね上がる計算だ。
日本の景気が良かったころ、日本人は盛んに物価が安い東南アジアに旅行に行ったが、今の日本は主要国からみると、そんな国になっている。
庶民からすれば円安による物価の高騰が心配だ。物価のみ上がって給料が上がらないとなると、いわゆる「悪い円安」ということになる。
日本はもう20年も給料が増えていない。海外と大卒初任給で比べてみると、日本は約20万6千円。韓国は約30万円、米国約48万5千年、デンマーク約53万4千円、スイスはなんと約73万2千円だ。
円安が進むということは、観光立国としてみればいいことなのかもしれない。しかし同時に給料や収入も増えてほしいものだ。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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