ほとんどの人が生きることをあきらめる。そんな時代が来るかもしれない(前編)

社会・2021-04-11 15:00
ほとんどの人が生きることをあきらめる。そんな時代が来るかもしれない(前編)
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現在は30年前に比べると数百倍のスピードで創薬の技術の進み、新型コロナワクチンのような高度な薬をわずか1年未満で複数の会社が創り出すことができようになった。

30年前、世界でもっとも高度なスーパーコンピューターよりはるかに高性能のコンピューター(スマートフォン)を我々はポケットに入れて持ち歩いている。

シンガポールでは3年以内にドローンを使った空中タクシーが開始されるそうだ。

いまや中近東の攻撃型無人飛行機を操縦しているのは、映画『トップガン』に出てくるような凄腕パイロットではない。米国内の基地に通勤してくるオペレーターだ。彼らは勤務時間が終わると家に帰り家族と食事を楽しむ。

現在でさえそうなっているのだ。最初に100~1000倍も薬の開発が進んでいると書いたが、医学も同じスピードで進んでいる。いま世界中で認知症やがん、心臓病などの研究が進んでおり、その多くが治療可能になると言われている。

認知症の薬などでは病気を治すだけではなく、健康な人が服用すればIQが上がる薬も開発されつつある。あるいは脳にコンピューターチップを埋め込むことで、脳とAIが直接つながり、コンピューターの知能を我が物にすることができるようになりつつある。

iPS細胞や遺伝子研究で、がんや血管を遺伝子レベル修正するという不老研究も進んでいて、寿命はいまの倍近く伸びると予想されている。そんな時代がわずか10年か20年後に本当に実現しそうなのだ。

ただ問題がある。いまでも一本30万円する歯のインプラントや、シミやシワを美容整形で取りたいけど、金銭的問題であきらめている人が多いだろう。同じようにテクノロジーが進み、150歳以上生きられる時代がきても、お金がないために生き続けることをあきらめる人が大量に出る。そんな近未来がくるかもしれない。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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