食文化の歴史 プロの料理と家庭の料理
エンタメ・2023-01-25 18:45はるか昔、まだ石器時代のころ、男たちは槍や弓矢を持って獲物を求めて群れから離れた。
女たちは木の実などを採集し、男たちが肉を持って帰るのを待っていたという。
この形態が、やがて男は外で働き、女は家事をするということの元になったらしい。
実際、ほとんどの民族で、家庭で料理を作るのは女の役目となっている。
やがて文明が生まれ、多種多様な職業が誕生すると、料理を専門に行う「料理人」というものも生まれた。外で働く料理人は基本男である。
料理人は最初、王が貴族に抱えられるようになり、最高の食材と鍛えられた腕前をふるって、いろいろなごちそうを作って王様たちに提供した。
一方、家庭を守る女たちは働きに出た男たちが仕事から帰ってくると、家庭料理を提供した。
ここに料理の歴史において大きな二つの潮流ができたことになる。
王侯貴族に提供する宮廷料理と、庶民の家庭料理である。
宮廷料理はその時代、その地方の最高峰の料理であり、記録されることが多いのに対して、家庭料理は安価で、記録されることがあまりない料理である。
ただ郷土料理などは地元の家庭料理から生まれる場合も多い。
職業料理人の料理は、かつて庶民は食べられない高級なシロモノであった。
フランス料理を王侯貴族以外のフランス人が食べることができるようになったのは、フランス革命後、宮廷料理人が失業し、町にレストランを作ってからだ。
一方、おかみさんの料理は、その地元でよくとれ、安く手に入れられるものを工夫する。
海の近くなら、高級な魚は都市部に売られるが、売り物にならないようなものを工夫して美味しくする。それが郷土料理になることも多い。
20世紀後半になり、情報や流通がよくなってくると、この二つの潮流はどんどん交わってきているようだ。ただし、どちらがいい悪いというものではない。
伝統的な高級料理は、伝統ゆえに大きな変化はしにくい。しかし家庭料理は変化に柔軟だ。
そしておふくろの味が生まれる。
どちらも大切な食文化である。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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