五輪会場でお酒はOK!でも町で飲んじゃダメよの矛盾

社会・2021-06-23 09:05
五輪会場でお酒はOK!でも町で飲んじゃダメよの矛盾
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東京五輪の迷走ぶりにはさすがに笑うしかない。なんでも今度は会場でのお酒販売を検討しているというのだ。

全国の飲食店にお酒提供を制限している真っ最中だというのにだ。

組織委の言い分は「スポンサー企業の中にアルコール飲料を販売しているところがあるから」だという。

まだ無観客でやるか観客を入れるかは決定していないが、観客を入れるとすれば、会場には来てほしい。会場でお酒を飲んでも大丈夫。でも、行き帰りは飲食店に寄っちゃダメよ。真っ直ぐ帰りなさいということらしい。

いやいやいや~、五輪関係者の人ってどれだけ上から目線なのよ。国民を、特に飲食業の人をバカにしすぎではないだろうか。そしてこれは明らかな矛盾である。

この1年半、国民は、新型コロナウィルス感染拡大を少しでも防止するために、会食を避け、つけたくもないマスクをつけ、学生はリモートで授業を受け、子どもたちは楽しみにしていた運動会を取りやめ、飲食店はお酒提供を控えたり休業したりするなど、誰しもが協力してきた。

それはあくまで新型コロナウィルス感染拡大を少しでも防止するためであって、五輪を開催するためではない。

一説によると、五輪会場でのお酒提供の目的は、スポンサーや海外からのVIPを接待するためだそうな。

五輪が開催される東京都では、飲食店への入店は2人まで、時間は90分、お酒提供は夜7時までである。いくら接待のためとはいえ、このルールは守られるのだろうか? まさかコッソリ競技観戦の後に綺麗なお姉さんのいるところへ接待の続きなんてないよね?

思えば昨年の第一回緊急事態宣言が出たのは、東京五輪延期が決まった直後だった。その後の緊急事態宣言も、まん延防止措置の発出も、すべて五輪が関係していた。

とうやら政府行政も、IOC、JOCも国民の安全安心よりも、五輪第一主義であるらしい。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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